Glossary
用語集
物流・SCM、システム開発、AI、DX・業務改善、プロジェクト管理の用語を、中小企業の現場の言葉で解説する。 辞書の写しにならないよう、定義だけでなく現場で毎回問題になる「よくある誤解」を用語ごとに書いている。
150 TERMS
物流・SCM
30 TERMS
2024年問題
トラックドライバーの残業規制で運べる貨物量が減るという、物流業界全体の構造変化を指す。
3PL
物流の実行だけでなく設計・改善まで外部に任せる契約形態。倉庫を借りることとは違う。
B/L
船会社が発行する、貨物の受取証であり所有権を表す有価証券。原本がないと貨物を引き取れない。
CLO
特定荷主に選任が義務付けられる、経営レベルで物流を統括する責任者のこと。
SCM
調達から生産・販売までの流れを、部門をまたいで一つの流れとして最適化する経営の考え方。
TMS
誰の車で・どの順に回り・いくらかかったかを管理する仕組み。倉庫の外側を受け持つ。
VMI
発注する側ではなく供給する側が、納入先の在庫水準を見ながら補充を決める在庫管理方式。
WMS
倉庫の中で「どこに何がいくつあるか」と「誰が何をしたか」を記録し続ける仕組み。
インコタームズ
輸出入取引における費用と危険負担の分岐点を、国際的に統一された規則で定めたもの。
キッティング
複数の部品や商品をあらかじめ一つのセットに組み合わせておく、倉庫での付加価値作業。
クロスドッキング
倉庫で在庫として保管せず、入荷した荷物をそのまま仕分けて出荷する物流方式。
コールドチェーン
生産から消費まで、温度を途切れさせずに管理し続ける低温物流の仕組み全体を指す語。
デッドストック
一定期間動きが止まった在庫全般を指す語。売れ残りの不良在庫だけを指すのではない。
デマレージ・ディテンション
輸入コンテナの引き取り・返却が遅れた際に課される、二種類の別々の保管・使用料のこと。
トラックGメン
荷主・元請けの不公正な取引慣行を監視し、是正を求める国の監視体制のこと。
バース予約システム
トラックの入出荷時間を事前に割り当て、荷待ちの集中を防ぐための予約の仕組み。
フォワーダー
自らは輸送手段を持たず、複数の運送業者を組み合わせて国際輸送を取りまとめる事業者。
フリーロケーション
棚番を固定せず、空いている場所に商品を格納する倉庫の保管方式。固定ロケーションと対をなす。
モーダルシフト
貨物輸送の手段をトラックから鉄道・船舶へ切り替え、輸送力と環境負荷の両方を見直す取り組み。
ラストワンマイル
配送センターから最終的な受取先までの、輸送網の中で最もコストと時間がかかる最後の区間。
リードタイム
発注から受け取りまでに実際にかかる時間。カタログの日数ではなく実績の分布で見る。
安全在庫
需要と調達期間のばらつきに備えて積む在庫。欠品をゼロにするための在庫ではない。
求貨求車マッチング
空いているトラックと運びたい荷物を、インターネット上でその場で結びつけるサービス。
共同配送
複数の企業が配送車両やルートを共有し、積載効率と配送頻度を両立させる仕組み。
混載
複数の荷主・貨物を一つの車両にまとめて運ぶことで、積載効率を上げる輸送方法。
在庫回転率
一定期間に在庫が何回入れ替わったかを示す指標。高ければ良いとは単純に言えない。
需要予測
将来の販売や出荷の量を、過去の実績と傾向から見積もる作業。安全在庫の計算の前提になる。
積載率
トラックの最大積載量や荷台容積に対して、実際にどれだけ荷物を積めているかを示す比率。
特定荷主
改正物流効率化法で物流統括管理者の選任等が義務付けられる、一定規模以上の荷主のこと。
標準的な運賃
トラック運送の運賃について国が示す目安。荷主との価格交渉の根拠に使える。
システム開発
30 TERMS
API
システム同士がやり取りするための約束事。人ではなくプログラムが使う入口。
CI/CD
コードの変更を自動でテスト・結合・配信する仕組み。自動化そのものが品質を上げるわけではない。
DevOps
開発チームと運用チームが協調して開発から運用までを一体で進める考え方。ツールの名前ではない。
EDI
取引先とのシステム間で受発注データなどをやり取りする仕組み。契約行為としての側面が大きい。
EOL
製品やソフトウェアへのベンダーサポートが終了すること。動かなくなるわけではない。
MVP
価値を検証できる最小限の完成品。機能を削った未完成品という意味ではない。
PoC
新しい技術や手法が実現できるかを小さく検証する工程。本番化の基準が無いと終わらない。
RFI
ベンダー候補を絞り込むための情報収集を依頼する文書。RFPより前の段階で使う。
RFP
ベンダーに提案を求める文書。見積を比較できる形にするための道具。
SES
技術者が常駐・稼働して業務を行う契約形態。派遣と混同されやすい。
SLA
提供するサービスの品質水準を数値で取り決める合意。数値だけでは保証にならない。
アジャイル開発
短い周期で計画・実行・見直しを繰り返す開発手法。無計画に走ることではない。
クラウドサービスの3階層
クラウドの提供範囲を分ける3階層。層によって自社が管理すべき範囲が変わる。
スクラッチ開発とパッケージ導入
システムを自社専用に作るか、既製のパッケージを選ぶかの判断。総コストの優劣は業務適合度で決まる。
データ移行
システム更改に伴うデータの移し替え。項目の対応付けと名寄せが工数の大半を占める。
フィットギャップ分析
自社の業務とパッケージの標準機能の差分を洗い出す工程。差分をどう埋めるかが本体。
ベンダーロックイン
特定ベンダーの技術に依存し、他社への乗り換えが事実上できなくなる状態。
マイクロサービス
システムを小さな単位に分割して構築する設計手法。分割しすぎると連携の複雑さが増す。
レガシーマイグレーション
古いシステムを新しい基盤へ移す取り組み。作り直しと載せ替えでは別物になる。
基幹システム
止まると事業が止まる業務を担うシステム。販売・生産・在庫・会計など。
技術的負債
その場しのぎの設計判断が生む将来の追加コスト。放置すると利息のように増え続ける。
契約不適合責任
納品物が契約内容に適合しない場合に発注側が請求できる責任。旧・瑕疵担保責任の呼称。
検収
納品された成果物を発注側が受け入れる法的な行為。受入テストとは効果が違う。
受入テスト
発注側が「これで業務が回る」と確認する最後の工程。バグ探しの工程ではない。
準委任契約
成果物ではなく業務の遂行そのものに対価を払う契約類型。完成責任は負わない。
人月
作業量を「1人が1ヶ月働く量」で表す見積単位。人数と期間は単純に交換できない。
成果物の著作権
開発委託した成果物の著作権の帰属。契約で明記しない限り開発者側に残る。
請負契約
成果物の完成に対して対価を払う契約。完成責任と引き換えに柔軟性を失う。
内製化
外部委託していた開発・運用を自社の体制に移すこと。外注費の削減とは別のコストと交換になる。
要件定義
「何を作るか」ではなく「何が決まっていれば作れるか」を決める工程。
AI
30 TERMS
AIウォッシング
AI をほとんど使っていない製品やサービスに「AI」のラベルだけを付けて売ること。
AIエージェント
与えられた目的に対して、AI が自ら手順を考え複数の作業を実行する仕組み。
AIガバナンス
誰が AI 導入を承認し、誰が結果に責任を負うかという組織の意思決定体制。
AIコパイロット
人の作業を補助し、最終判断は人に残す設計で使われる AI の働き方。
AIのバイアス
学習データの偏りが、AI の判断結果に統計的な偏りとして現れること。
LLM
大量の文章を学習し、文脈に続く言葉を予測して生成するAIの基盤モデル。
RAG
社内文書を検索して、その結果を根拠に AI へ答えさせる仕組み。
エンベディング
文章の意味を数値の並び(ベクトル)に変換する技術。
オープンモデルとクローズドモデル
モデルの重みを公開しているか、API経由でしか使えないかという分類。
オンプレミスLLM
外部の API を使わず、自社の環境内で LLM を動かす構成。
ガードレール
AI が不適切・危険な出力や操作をしないよう外側から制限する仕組み。
コンテキストウィンドウ
AI が一度に読んで理解できる文章量の上限。
システムプロンプト
開発者があらかじめ設定する、AI の役割や制約を決める裏側の指示。
シャドーAI
情報システム部門が把握していないまま、現場で AI サービスが業務利用されている状態。
データ主権
自社のデータがどの国のどんな法制度の下で扱われるかという論点。
トークン
AI が文章を扱うときの単位。料金も制限もこの単位で決まる。
ハルシネーション
AI が事実でないことを、事実であるかのように出力する現象。
ヒューマン・イン・ザ・ループ
AI の判断や生成結果に、人間の確認・承認を組み込む運用設計。
ファインチューニング
既存モデルに追加で学習させ、応答の型や口調を寄せる手法。知識の追加には向かない。
プロンプトインジェクション
AI に読ませる文章の中に指示を仕込み、本来の動作を乗っ取る攻撃。
プロンプトエンジニアリング
AI への指示文を設計し、出力の精度を継続的に改善していく作業。
ベクトルデータベース
エンベディングに変換した文章を保存し、意味の近さで検索する専用のデータベース。
マルチモーダルAI
文章・画像・音声など、複数種類の情報を同時に理解して扱える AI。
モデルドリフト
運用開始後、時間の経過とともに AI の精度が静かに劣化していく現象。
構造化出力
AI の出力形式を JSON など決まった構造に固定し、他システムと連携できるようにする仕組み。
合成データ
実データの代わりに、AI などを使って人工的に作り出す模擬データ。
少数事例学習
プロンプトの中にいくつかの例を示すだけで、AI の出力を望む形に近づける手法。
推論コスト
AI を実際に使うたびに発生する費用。使う量に比例して増え続ける。
生成AIの著作権
AI が生成した文章や画像を商用利用する際に生じる権利上の論点。
説明可能性
AI がなぜその判断をしたのかを、人間が理解できる形で示せるかどうか。
DX・業務改善
30 TERMS
2025年の崖
老朽化した基幹システムを放置すると事業の足を引っ張り続けるという構造上の警鐘。
BCP
災害やシステム障害が起きても事業を止めない・早く復旧するための計画。
BPR
業務の流れを前提から組み直すこと。今のやり方を効率化する業務改善とは別物。
DX
デジタルを前提に業務や事業のやり方そのものを変えること。ツール導入とは別物。
ECRS
業務を見直す順序。排除・結合・交換・簡素化の順に検討する。
IoT
センサーなどの機器をネットワークにつなぎ、データを取得・活用する仕組み。
KPI
目標に近づいているかを測るための指標。測れることより、行動が変わることが要件。
OODAループ
観察・判断・意思決定・行動を高速で回す意思決定の手法。PDCAとは目的が違う。
ROI
投資額に対してどれだけの効果が返ってきたかを示す指標。分子の取り方で結論が変わる。
RPA
人がパソコンでやる操作をソフトに代行させる仕組み。画面の操作を真似る。
UI/UX
UIは画面の見た目、UXはその前後を含む体験全体。UXの方が範囲が広い。
インボイス制度
消費税の仕入税額控除に必要な請求書のルールを定めた制度。取引先管理にも波及する。
カスタマージャーニー
顧客が商品やサービスを知ってから購入・利用に至るまでの道のりを可視化したもの。
サイロ化
部門ごとにシステムやデータが分断され、組織をまたいだ連携ができなくなる状態。
サブスクリプション化
製品やサービスを売り切りではなく継続利用で提供する事業モデルへの転換。
シャドーIT
情報システム部門が把握していないIT機器やサービスを、現場が独自に使っている状態。
シングルソースオブトゥルース
ある項目について「どのデータを正とするか」を1つに定める運用上の取り決め。
チェンジマネジメント
人が変化を受け入れ、新しいやり方に移行できるよう組織的に支援すること。
データドリブン経営
勘や経験でなくデータに基づいて経営判断を行う考え方。集めるだけでは実現しない。
デジタイゼーション/デジタライゼーション/DX
紙の電子化・業務プロセスの電子化・事業変革という3段階の違いを表す言葉。
デジタルツイン
現実の設備や工程の状態をリアルタイムに映し取った、データ上の複製。
デジタル定着
導入したツールが実際に使われ、業務が変わって初めて効果が出るという考え方。
ノーコード / ローコード
コードをほとんど書かずに業務アプリを作る手段。作れることと保てることは別。
ビジネスケース
投資をやる場合とやらない場合を比較し、意思決定を支えるための資料。
ペーパーレス化
紙の書類をやめて業務を電子で完結させること。PDF化だけでは終わらない。
マスタデータ管理
顧客・商品などの基本情報を、誰がどう更新するかまで含めて管理する仕組み。
業務可視化
誰が何をどの順でやっているかを書き出すこと。書くこと自体が目的ではない。
属人化
特定の人にしか業務のやり方が分からず、その人がいないと回らなくなる状態。
電子帳簿保存法
会計関係の書類を電子データで保存する際のルールを定めた法律。要件は専門家に確認する。
標準化
業務のやり方を揃えること。例外をゼロにすることではなく、許容範囲を決めること。
プロジェクト管理
30 TERMS
EVM
進捗と費用を同じ物差しで見る手法。「予定どおり」を金額で確かめる。
PMO
複数プロジェクトを横断して支援・統制する組織。事務局か裁定機関かで機能が変わる。
PPM
複数のプロジェクトを一つの集合として見て、優先順位と資源配分を決める手法。
RACI
作業ごとに実行責任者と説明責任者を分けて示す表。決める人を一人に絞るための道具。
WBS
やることを漏れなく分解した一覧。スケジュールではなく作業の構造を表す。
エスカレーション
現場で解決できない問題を、決められた基準に沿って上位者へ引き上げる仕組み。
クリティカルチェーン法
人員の取り合いまで考慮したスケジュール短縮技法。バッファを工程の末尾にまとめて持つ。
クリティカルパス
全体の期間を決めている作業のつながり。ここが延びると必ず全体が延びる。
コンティンジェンシー予備
想定済みリスク用の予備費と、未知のリスク用の予備費は別物で、承認権限者も異なる。
スコープクリープ
合意した範囲が、少しずつ承認なく広がっていく現象。
ステアリングコミッティ
プロジェクトの重要な判断をする会議体。報告を聞く場ではなく、決める場。
ステークホルダー分析
プロジェクトの関係者を洗い出し、誰が推進し誰が抵抗するかを見極める作業。
デシジョンログ
何を・誰が・いつ決めたかだけを追跡する台帳。議事録とは目的が違う。
トリプルコンストレイント
品質・コスト・納期はどれかを犠牲にしないと他が成立しない、という前提を示す概念。
ファストトラッキング
工程を短縮する二つの技法。人を増やすか、本来は逐次の工程を並行させるかで手段が違う。
ふりかえり
一定周期ごとに小さく行う振り返り。ポストモーテムと違い、事故が起きる前に回す。
プロジェクトスポンサー
予算を持ち、最終的な意思決定に責任を負う経営層の役割。名目の肩書きではない。
プロジェクト憲章
経営がプロジェクトの開始を承認し、予算と権限を与えたことを示す文書。
ベースライン
承認された時点のスケジュール・予算のスナップショット。以後の遅れや超過を測る基準。
ポストモーテム
起きたことを記録し、次に同じ失敗をしないための仕組みを作る文書。
マイルストーン
スケジュール上の節目。単なる日付ではなく、成果物の完成を示す検証可能な地点。
リスクレジスタ
起こりうるリスクを発生確率と影響度で並べ、対応方針を先に決めておく管理表。
引き継ぎ
成果物の納品だけでなく、運用を担う部署へ知識と権限を移し終えるまでを含む工程。
下請法
発注側企業にも書面交付や支払期日などの義務を課す法律。無関係だと思わない方がよい。
課題管理表
すでに起きている問題を記録し、対応状況を追跡する表。リスクとは別に管理する。
完了の定義
何をもって作業を完了とするかを、着手前に明文化しておく合意。
教訓集
ポストモーテムや振り返りで得た教訓を、次のプロジェクトで実際に参照できる形で残す台帳。
三点見積り
楽観値・悲観値・最頻値の三つで幅を持たせる見積り技法。単一の数字より扱いやすい。
変更管理プロセス
仕様や範囲の変更要求を記録し、影響を示してから承認を得る一連の手順。
要員計画・リソース平準化
要員の負荷を均し、遅延プロジェクトへの安易な増員がむしろ遅れを招く構造を示す考え方。