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宅配便の再配達率はどこまで下がったのか|7.6%の先で、国交省が掲げる目標は「受け取り方」

宅配便の再配達率はどこまで下がったのか|7.6%の先で、国交省が掲げる目標は「受け取り方」

宅配便の再配達率は、国土交通省の調査で下がる傾向にあります。大手6社ベースで、2024年10月の9.0%から、2026年4月は7.6%でした。それでも、調査対象の荷物の約13個に1個は、1回で受け取れずに再配達になっています。

では、率が下がった先で、国は何を目標にしているのでしょうか。2026年の総合物流施策大綱の指標は、再配達率ではなく、宅配ボックスや置き配などの「受け取り方」に置かれていました。

1分で押さえる:再配達率とは

国交省は、大手宅配事業者の協力で、毎年4月と10月に再配達率のサンプル調査を行っています。公表表では、調査対象の荷物の総数に対する再配達数の割合が再配達率です。2026年4月(4月1日〜30日)は、総数3,322,699個のうち再配達が253,128個で、約7.6%でした。

注意点が二つあります。一つは、この総数はサンプルで、全国の取扱個数ではないことです。宅配便の取扱個数は令和6年度で約50億個で、調査は1か月で約332万個です。

もう一つは、対象の社数です。2026年4月分の発表では、地域別と総計は大手6社ベースの合計値で、3社ベースの参考値は8.8%です。社数が違うと比べられないため、ここでは6社ベースだけを並べます。

数字を並べると:約1年半で1.4ポイント

調査月

総数(調査対象)

再配達(調査対象)

再配達率

2024年10月

3,206,470

288,775

9.0%

2025年4月

3,108,975

260,137

8.4%

2025年10月

3,413,494

281,719

8.3%

2026年4月

3,322,699

253,128

7.6%

出典は国交省の報道発表(2025年10月分と2026年4月分)です。個数は調査対象のサンプルなので、増減から全国の再配達の個数は読めません。見るべきは率です。2024年10月の9.0%から2026年4月の7.6%まで、1.4ポイント下がっています。

ただし、毎回同じ速さで下がっているわけではありません。2025年4月の8.4%から10月の8.3%は、0.1ポイントしか動いていません。下がる傾向があっても、足踏みする期間があります。

地域別では、都市部のほうが率が高い

2026年4月の再配達率は、都市部8.5%、都市部近郊7.2%、地方6.0%でした。この区分は、全国の分布ではなく、調査で指定された営業所のエリアの区分です。調査開始時(3社)の定義では、都市部は東京23区の人口密度が高く単身世帯の割合が高い区、都市部近郊は東京都郊外の市町村、地方は人口の少ない都道府県の市町村とされています。現行の6社ベースの定義は、私は確認できていません。

この差の原因は、公表資料には書かれていません。言えるのは、率に地域差があり、全国の合計値だけでは手を打つ場所が見えないということです。

いまの目標は「受け取り方」に置かれている

2023年6月の「物流革新に向けた政策パッケージ」は、2024年度分の効果として、施策なしの場合の12%を施策により6%へ半減する想定を示しました。実績の率ではないので、今の7.6%と比べないでください。

国交省の調査ページに載っている現在の目標は、宅配ボックスや置き配などの「多様な受取方法」の利用率です。2025年2月の25.6%から、2030年度までに50%程度へ上げるというもので、2026年3月31日に閣議決定された総合物流施策大綱に位置づけられています。2026年4月の調査では、この利用率は大手3社の数値で31.0%、前回(2025年10月)から1.1ポイントの上昇でした。前の大綱の目標は再配達率7.5%程度(令和7年度)で、大綱は実績9.5%程度(3社の値)と未達を認めています。2026年の大綱の指標表に再配達率は見当たらず、利用率50%程度が指標になっています。

一段深く:再配達は「1回目の届け方」の設計の問題だと見ている

ここからは私の見方です。再配達を、配達員や受取人の努力の問題というより、1回目の届け方の設計として捉えています。根拠として国交省のページが示すのは、2022年の調査で、約2割が「配達されることを知らなかった」と回答したことです。通知で防げる再配達が、一定数ある可能性があります。

同じページは、時間帯指定を使うこと、メールやアプリの通知を使うこと、コンビニ受取や置き配などの受取方法を選ぶことを挙げます。時間帯を指定しても、その時間に不在になる荷物があるとも書いています。送る側にできるのは、受け取る側の予定を発送時に確かめ、通知を出し、受け取り方の選択肢を用意することです。物流の指標を設計する視点は、物流KPIは何を見ればいいのかに整理しました。

よくある質問

Q. 「送料無料」なら、再配達に費用はかからないのですか。

A. 国交省のページは、「送料無料」と表示されていても、配送にはコストが発生しているとしています。再配達も、その配送の一部として人手と時間を使います。

Q. 再配達は、どれくらいの負担になっているのですか。

A. 国交省のページは、約1割にのぼる再配達を労働力に換算すると、年間約6万人のドライバーの労働力に相当するとしています。これは当時の約1割の率での換算で、現在の7.6%で算出し直した数字ではありません。引用するときは、元のページで確認してください。

まとめ

再配達率は、6社ベースで2024年10月の9.0%から2026年4月の7.6%まで下がりました。個数ではなく率で見ること、社数をそろえること、国の目標が受け取り方に移っていることの3つを押さえると、数字の読み違いが減ります。送り手として、通知と受け取り方の選択肢が整っているかを、一度見直してみてください。

物流の改善でお悩みの際は、お問い合わせからご相談ください。配送全体の見方は物流2024年問題は“運送会社だけの話”じゃないにもあります。

出典(2026年11月1日確認)

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この記事を書いた人

小林悠真(こばやし・ゆうま)/LF&L株式会社 代表取締役。九州大学で音響設計・音楽マネジメントを学びデザイン思考を培った後、ヤマトシステム開発・バンテックで物流/生産管理、ラクスル等のITスタートアップで事業開発・SCM構築を経験。製造業・物流業のDXコンサルタントとして、現場の1歩から経営システムまでの全体最適を支援する。テューバ奏者・LFコンサート代表理事も兼務。

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